2013年4月20日土曜日

プラレール修理: 歯車の割れた新幹線E3系こまち

(概要)
●プラレール新幹線E3系こまちの動輪の歯車が割れていました。
●破損していた歯車を交換し、ついでに動力ユニットの分解清掃を実施しました。

※(株)タカラトミーではプラレールの改造はしないよう勧告しています。
 本ブログはプラレールの改造を推奨するものではありません。
 また、本記事を参考にして不利益を被っても、管理人は一切その責を負いません。
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子供から、遊んでいたプラレール新幹線E3系こまちが走らないから見て欲しいと頼まれました。
スイッチを入れると、モーターからは動く音がするのに、車輪はほとんど回転せず異音がします。
子供の話では、遊ぼうと思ってスイッチを入れたら走らなかったとのこと。
秋田新幹線 E3系「こまち」
確認していると、動輪の歯車が割れているのに気付きました。
スイッチを入れると、ここが空回りをしています。
歯車の割れ目からシャフトの銀色が見える
まずは台車から本体カバーを外します。
蒸気機関車C12と違い、ねじを使わずツメではめられているだけなので楽です。
よく見かける、白いプラスチックカバーの動力ユニット
台車は、底にある2本のプラスねじを外すことで、動力ユニットと分解することができます。
問題の壊れた動輪の歯車も見える
今回、初めて台車を分解してみました。
動力ユニットから飛び出した金具は、台車の金具と電気的に接続するためにあります。
(赤矢印)分解するとき、ここが引っ掛かり、なかなか外れなかった
 台車に動力ユニットが付いた状態だと、台車の底に、この金具が見えるように入ります。
(赤矢印)電池のマイナス側に接続される金具になります
模型屋から、12枚のピニオンギヤを買ってきました。
12枚以外に、8枚と10枚の歯車も同梱
動輪をシャフトと車輪に分解します。
良い方法が思いつかなかったので、力づくで(笑)
次に壊れた歯車をシャフトから抜いて、買ってきた歯車と比較しました。

左がプラレールの壊れた歯車、右が買ってきた歯車ですが、明らかに軸穴の大きさが違います。
軸穴径を測定したところ、プラレールの歯車は2.5mmφ、買ってきた歯車は1.5mmφでした。
比べるまで、軸穴径が違うとはなぜか微塵も考えなかった(笑)
仕方がないので、2.0mmφ→2.5mmφの順でドリルを使い、ピンバイスでムリヤリ軸穴径を広げます。
力を入れすぎないよう、慎重に少しずつ削り進めました。
歯車に傷がつかないよう、ペンチをマスキングで養生
加工後の歯車比較。両方とも2.5mmφになり、見た目では良さそうですが・・・。
写真だとよく見えないが、軸径は同じ
動輪のシャフトに差し込んで回してみると、オーマイガッ!やはり微妙にブレが!
軸穴を削る過程で偏りが生じてしまった。これでは失敗か・・・。
回すと歯車に微妙なブレが出てしまった。
しかし、台車を組み立てて動かしてみると、動力ユニット側の歯車にも遊びがあってか、思いのほか快調に走っています。
どうやら、うまくひずみを吸収してくれているようです。
ピンバイスの使い方は、もっと工夫が必要だったと反省。


と、いうことで(笑)、

この新幹線E3系こまち、買ってからずいぶん子供に遊ばれたため、動力ユニット内部の歯車がゴミだらけです。
せっかくなので、この機会に動力ユニットも清掃することにしました。

まず動力ユニットの天井がプラ板で接着されていましたので、これをデザインナイフで少しずつはがしていきます。
(途中、力が入りすぎてプラ板を少し割ってしまいました)
プラ板パーツの周囲から、少しずつ剥がしていく
プラ板を外すと、モーターのリード線接続端子が金具にハンダ付けされている部分が現れました。
慎重に、ハンダ吸い取り線でハンダを取り去ります。
(後で調べたら、ハンダを取らず金具が付いたままでも分解できるようです。私には無理でしたが)

側面のビスを外し、2か所あるツメを浮かせると、動力ユニットを分解することが出来ます。
写真は既に清掃した後、歯車を入れて撮影
全ての歯車を一度外し、グリスを拭き取りブラシを使って一個ずつ丁寧に清掃しました。
しかしいったい、どこからこれだけのゴミが入るのか?

最後にもう一度グリスを塗って、動きを確認してから組み立てます。
金具とモーター端子も再度ハンダ付け
ちなみに、ハンダ部分を覆っていたプラ板パーツは、無くても影響はないので外したままにしておきました。

台車を組み立て、本体カバーを取り付けて作業は終了です。
レールの上に置いてスイッチを入れると、以前のように元気に走り出してくれました。
中央が新幹線E3系こまち
子供が作ってくれたレイアウトに置いて撮影
今回、初めて内部まで分解しましたが、おかげで注意点等がいろいろ分かりました。
次に同じような故障が起きても(多分)大丈夫でしょう。

また、これでしばらく遊んで様子を見ることにします。
(ちょっと歯車が心配ですが・・・)

2013年4月14日日曜日

プラレール改造: 蒸気機関車C12のモーター交換

(概要)
●蒸気機関車C12の走りは登り坂で力不足を感じます。
●タミヤのトルクチューンモーターに換装したところ、蒸気機関車らしい力強い走りが手に入りました。

※(株)タカラトミーではプラレールの改造はしないよう勧告しています。
 本ブログはプラレールの改造を推奨するものではありません。
 また、本記事を参考にして不利益を被っても、管理人は一切その責を負いません。
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動かなくなっていた蒸気機関車C12ですが、今のところ分解手入れ後は順調に走行しています。
快調に走るプラレールC12
ところが、馴らし運転の様子を眺めていた子供から「遅っ!!」という声が・・・。

確かに、先日買ったばかりのプラレール新幹線E4系マックスと比べると、明らかにスピードが遅く感じられます。
しかし機関車ですので、やたら早いとかえって違和感が出てしまいます。

とは言え、登り坂を苦しそうに登るC12を見ていると、やはりトルク不足は否めません。
なんとかもっとパワーアップを図る方法はないでしょうか。

前回、動力ユニット内部のゴミを清掃して油を注していますので、これ以上、できることは次の2つしか思いつきませんでした。

1.電池を換える。
 エネループから乾電池にすれば、使用初期の電圧が高いため元気のいい走りが期待できる。

2.モーターを変更する
 より定格トルクが大きいもモーターに換装する。

1案はお手軽ですが、エネループがとても便利なのですぐ却下となり、2案を試してみることにしました。


モーターの交換に際して、まず初期状態の(といっても購入直後と比べれば動きが悪くなっている可能性がありますが)、C12が現在どの位の性能なのか確認したくなりました。

まず、動輪の回転数を確認します。
測定には、(株)小野測器のディジタルハンドタコメータHT-4100を使用しました。
 →(株)小野測器HP http://www.onosokki.co.jp/
単4電池3本で使えるお手軽タコメータHT-4100
測定するには、まず反射テープを被測定車輪に貼り付ける必要がありますが、添付のテープのままだと大きすぎるので、車輪の幅に合わせてカットしました。
説明書を見ても何も書いていませんが、ちゃんと測定できるかちょっと不安です?
動輪に反射テープを張り付け
HT-4100を近づけてボタンの押すと、赤いレーザー光が照射されました。
数字が表示されましたので、なんとか測定できるようです。
回転数を測定中
機関車C12の回転数は174~178r/minでした。
ちなみに、新幹線E4系マックスは高速モードで305r/min位、低速モードで145r/min位。

また、実際に貨車を引かせて平坦レールを走らせた時の走行速度を計測します。
レールの両端にストップレールを設け、直線レール11本をつなぎます。
直線レール11+ストップレール1、1本あたり21.5cmですので、全長は258cm = 2.58mです。

ストップウォッチで時間を測定しました。
機関車C12は13.3sでしたので、698m/h = 0.7km/h
新幹線E4系マックスは7.1s → 1,308m/h = 1.3km/h(高速モード)、14.2s → 654m/h = 0.7km/h(低速モード)

誤差を含むとはいえ、平坦レールで比較すれば、低速モードとしては特段機関車C12が遅い訳ではないようです。


では、いよいよモーターの換装をすることにします。
換装するモーターは、タミヤミニ4駆のチューンナップパーツとして売られているトルクチューンモーターを準備しました。
模型店で400円弱で売られています。
前回と同じ手順で、本体ボディーと台車を分解します。
動力ユニットも台車から切り離した。
動力ユニットのモーターを外すため、モーター側のスイッチ金具を外します。
上手く説明しづらいですが、金具は穴を通したプラスチックの頭を熱で溶かして潰すことで、これが固まって固定されています。
金具は2か所で留められています。(矢印のところ)
 金具を抑えているプラスチック部分を、デザインナイフで丁寧に削り取ります。
プラスチックを削り取ったところ。違いがわかります?
下の写真は、モーターユニットを開けて撮影したものです。上で外した金具はモーターのリード線接続端子に直接ハンダ付けされていました。
モーターのリード線端子は両方ともハンダ付けされている。
市販のハンダ吸い取り線を使って、ハンダを取り除きます。

ここで完全にハンダを取り除くことができれば、先の金具を外さなくても、モーターの取り外しが出来るかもしれません。
私の場合、ハンダを取り去るまで、どのように端子に金具が付いているか判らなかったことと,作業中に金具にへんなクセがつくことを嫌って、念のため金具を外しています。
かなりしっかりハンダ付けされていました。
ハンダをきれいに取り去ると、接続されていたリード線と金具が外れました。
写真では動力ユニット内のギアはすでに外されています。
初期状態で装備されていたモーターを取り外して、買ってきたトルクチューンモーターと並べてみました。
左が初期モーターです。白いシールはハンダの熱保護用でしょうか?
サイズは全く同じです。
念のため、シャフトの頭がウォームねじから出ている長さを計測すると0.85mmでした。
実際はデプスバーで測定しています。
マイナスドライバーをねじの根元に差し込んで、ウォームねじを少しずつ抜きます。
ある程度抜けたら、一気につまんで抜きました(笑)
外れたウォームねじです。根元側には十字のモールドが掘ってありました。
組立工程で方向を間違わないためだと思われます。
見ずらいですが、ねじの根元側にモールドが。
ウォームねじを、新しいモーターに差し込みました。
ねじの頭から、シャフトの頭が0.85mm飛び出すように慎重に調整します。
ウォームねじの向きもOKです。
動力ユニットに新しいモーターを入れて、ギア類を組み込みました。
ウォームギアのかみ合わせも問題ありません。
動力ユニットの外側カバーをはめ込みます。
外した金具は、瞬間接着剤で慎重に固定しました。
モーターのリード線接続端子はまだ何もしていません。
最後に、リード線と金具をモーターの端子にハンダ付けします。外す前と同じように、簡単にとれないよう、ハンダは惜しまず使うようにしました。
遊ぶ途中で外れないよう、しっかりと固定します。
台車を組み立てると、僅かに新しいモーターのオレンジ色を見ることが出来ます。ちょっとワクワクしてきましたね。
試しに電池を入れてスイッチをオンにすると、おお~!!軽快に動きます。
オレンジ色がちょっとカッコいい感じ
あとは、ボディをつけて完成です。
モーターは全く見えないため、外観上はモーター換装前の初期状態と変化ありません。


それでは、どの程度性能が変わったか確認します。

まず、回転数ですが、測定したところ171r/minでした。
換装前に比べやや遅くなりましたが、まあ誤差の範囲でしょう。

つづいて、スピードです。
同じコースで時間を測定したところ13.4sでしたので、693m/h = 0.7km/hとなり、こちらも変化なしといって差支えないレベルでした。

しかし、坂道を登らせると、貨車を引かせても全くスピードが衰えることなくグングンと登ります。
試しに8台の貨車を引かせて登らせると、坂レールを登り切るあたりで後輪をやや空転させながらも、力強く進んでいきました。
子供からも「C12スゲー!!」と感嘆の声が(笑)


実は、換装前に平坦コース以外に坂道コースも作り時間を測定するつもりでしたが、用事があって省略してしまったのでした。
おかげで、具体的な登坂性能向上が値でわからずじまい。こんなことなら、平坦コースをやめて坂道コースだけにしておくべきだった・・(笑)

しかし、機関車らしい、とても力強い走りが手に入ったので満足しています。

オマケに、機関車C12のために子供たちが坂道コースを作り、いろいろテストしてくれて写真まで撮ってくれたので紹介します。
ちらかっているのは愛嬌ということで・・・(笑)
息切れせず、ラクラク登るようになりました。

これで、またしばらく遊んで様子をみることにします。



2013年4月8日月曜日

プラレール修理: 動かなくなった蒸気機関車C12の修理

(概要)
●スイッチを入れても動かなくなったプラレールの蒸気機関車C12。
●今回、内部を初めて分解して、動力ユニット内部を清掃・注油したところ元気に動き出しました。

※(株)タカラトミーではプラレールの改造はしないよう勧告しています。
 本ブログはプラレールの改造を推奨するものではありません。
 また、本記事を参考にして不利益を被っても、管理人は一切その責を負いません。
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昔が懐かしくて、何となく買っていたタカラトミーのプラレール機関車C12です。
ずっとリビングボード脇に飾られていました。
プラレールですが、機関車C12の雰囲気がよく出ています。
後方から撮影。真ん中の第二動輪はフェイクです。
久しぶりに走る姿が見たくなり、電池とスイッチを入れたら、なんとピクリとも動きません(笑)。
ほとんど走らせてないのに・・・・。
1.5千円弱の商品の修理をメーカーに依頼するのもなあ・・・と思い、とりあえず自分で不具合原因を調べることにしました。

はじめに電池(エネループ)の電圧を確認したところ、約1.4Vの表示。
なので、使用には十分なはずです。


ところで・・・・。
この機関車C12、なぜか電池交換のためには底面の電池フタのビスを外す面倒な仕様です。
他のプラレールのように、ボディのツメを外すと電池が現れるタイプなら良かったのに。
最近はこのタイプが主流なのかな?
見づらいですが、電池交換をするにはビスを外せと書いてあります。
走行距離はほとんどありませんので、プラレールによく見られるギアのゴミ詰まりの可能性は薄いはずですが、一応見てみることに・・・。


まず、ボディを台車と分解します。
電池フタを外すと、奥にビスが見えるため、これを外します。
電池フタを開けたところ。奥にビスが見えます。
同じく、連結器を固定しているビスを外すと、ボディが分離します。
天井に嵌っている2本のウエイト
おお!?ボディ天井にウエイトが組み込まれています!
実は分解した時、このウエイトがゴロンと飛び出してきてヒヤリとさせられました。
いままでウチにあったプラレールには無かった構造です。
分解した部品を並べたところ
分解したボディと台車、それにウエイト、連結器、そして第二動輪のフェイク部品を並べました。

てっきり、いつもの白いプラスチックで構成された動力ユニットが入っているとばかり思っていましたが、全然違う。
よく見ると、スイッチの取り付け位置を動輪のほぼ真上にするため、モーターを上向きに直立させるなど、機関車の運転席(キャブユニット)内に機構を収めるための苦労がうかがえます。

またこの動力ユニット、ジャンパー線が遊んでいてハンダ箇所も多いなど、工程も手間がかかっています。
これって、こういった機関車プラレールのために特別に設計されたのかもしれません。
台車を側面から撮影。
動力ユニットの天井に開口部があり、モーター軸とウォームねじなどが見えます。
しかし、内部に目立ったゴミづまりは見られません。

電気周りの接触不良の可能性もあるため、この状態で電池を入れて電圧測定。
スイッチを入り切りすると、モーター側に電圧が現れたため、スイッチまでは異常がないことを確認できました。
長期に動かしていなかったため、グリスが固着した?と思い、天井開口部から潤滑油をスプレーしてみることにしました。
天井開口部から潤滑油を少量スプレーした。
結果、全く変化なし。残念ながら微動だにしません。

やはり、動力ユニットを分解するしかない思いましたが、ここで大問題が発生。
台座固定に使用しているビスが「三角ねじ」だ!
問題の三角ねじ。
なんでこんなモン使うの?
分解されたくないなら、初めから簡単に壊れないような構造にしてくれ!と思いつつ、結局ホームセンターで専用ドライバーを買ってきました。ぐぬぬ・・・。

で、ビスを外して、台車と動力ユニットを分離。
ジャンパー線に無理な力がかからないように気をつけます。
動輪のギアもキレイでした。
ここで、モーターのリード接続端子が見えましたので、再度電圧確認をします。

といっても、動力ユニットの一部金具が電池の+側接点になっているため、動力ユニットを外したままでは回路が繋がりません。よって、この部分は別のリード線を準備してバイパスします。

・・・微動だにしません。

やはり動力ユニットを分解するしかないな・・。
ちゃんと組み立てられるか不安だが仕方がない。

その動力ユニットには、「K 20 10」の刻印が見えます。
ギア軸の上に打たれてるので、ギア比を表わす記号かもしれません。

その右には、ビス(これは+頭)があるので、まず、これを外します。
続いて、2か所のツメをマイナスドライバーでこじって浮かせます。
右のねじを外し、2か所あるツメを浮かす。
すると、あっさりカバーが外れました。
イモねじには白っぽいグリスが塗ってあります。

ここまで分解して、やっとウォームねじが直接回せる状態になったため、指で回してみます。
・・・特にひっかかる感じはないなあ。
イモねじには白いグリスが付いていた。
ここで、もう一度動作チェック。
先ほどモーターを直接手回しできたことから、もう一度電池を入れて、モーターの起動を試みることにします。

すると・・・動きました!
今までの無反応が嘘のように、元気よくモーターが回っています。

うーむ、結局原因はなんだったのか、よく分からなかった・・・。
おそらく、ウォームねじのグリスが固着してたんだろうと思います。

まあ、結果オーライというこで、 念のため回した状態でモーター内部にも注油して、回転を安定させます。
あと、ギアについた少量の細かい糸埃も、きれいにしておきました。
注油して組み立てる直前の動力ユニット。
あとは、ここまでの手順を逆に、組み立てます。

完成したプラレール機関車C12をスイッチオン!無事走り出しました。

とりあえず、このプラレール機関車C12は飾ってばかりでほとんど走らせていなかったため、ギアがよくなじんでいなかった可能性も考えて、ならし運転をすることにします。

もともとのスピードがゆっくりですが、快調に走行していました。

これで、またしばらく様子を見ることにします。